原神×クロスアンジュ 第18話『雷鳴の裁錦師、アル・ワースに降り立つ』
千織「私が異世界アル・ワースに行くことになるなんて、思いもしなかったわ」
刻晴「パラメイル第一中隊の、ライダースーツと言われるパイロットスーツの仕立てをお願いしたくて。
フォンテーヌには、かの有名な『雷鳴の裁錦師』がいると聞いていたし、是非お願いしたいの」
千織「構わないわ。璃月七星の玉衡なら、依頼料の支払いも問題ないでしょうし、何より人型機動兵器が存在する世界と言うのは機能美の観点からも興味があるもの」
甘雨「そろそろ、前回の原初の光接種から一ヶ月ですからね、丁度良かったです」
鍾離「ああ。それに、今回は胡堂主は留守番だ。またあっちで『アンジュ、おっぱい天国をまたやって!』とか言い出したら、たまったものじゃないからな」
千織「……事前に多少の情報は入れておいたけど、とんでもないところね」
刻晴「それじゃ行きましょ」
転送してやってきたところに、サリアがまたアンジュにおっぱい天国されているところだった。
刻晴「またぁ!?今度は一体何があったのよ!」
アンジュ「サリアの奴が、珍しくコーヒー入れてくれるって言ったんだけど、私のコーヒーに入れる砂糖と塩を間違えて、塩入れやがったのよ!一口飲んだら吹いたわよ!」
サリア「むぐぐぐぐぐぐぐうぅぅぅぅぅぅぅ!!」
アンジュ「塩まみれの高血圧コーヒーなんか飲めるかっての!私を高血圧で殺す気!?」
エルシャ「ヴィヴィちゃん、この前、調味料を補充するとき、砂糖と塩をセットするとき間違えたんじゃ……」
ヴィヴィアン「えー、でも左が砂糖で右が塩だよね?あたし、ちゃんとその通りに入れたよ?」
エルシャ「逆よ。左が塩で右が砂糖。次からは分かりやすいように黒砂糖を使うようにしようかしら。あるいはラベルを貼っておきましょう」
刻晴「とにかく、サリアを放してあげて!せっかく仕立て屋を連れて来たのに、隊長が失神してたら話にならないから!」
アンジュ「命拾いしたわね、サリア」
サリア「ヴィヴィアン、後で覚えてなさい……!!」
千織「私は千織屋の店主、千織よ。あなた達のライダースーツと言うの?パラメイル、ラグナメイルに乗る時のスーツを新調するために来たわ。
まずはパラメイル、ラグナメイルの仕様や内装を見せてもらうわね。その後で、メイルライダー達の体型も測らせて。作るのは帰ってからになるから、納品まで日数はもらうわよ」
ヒルダ「おいサリア、アタシ達のライダースーツ、新調するのか?」
サリア「そのために呼んだのよ。刻晴から聞いたけど、テイワットには腕のいい裁縫師がいるって」
刻晴「それじゃあ、いつも通り私と鍾離先生は、甘雨に原初の光を摂取させてくるわね。千織はパラメイル第一中隊の方をお願いね」
千織「分かったわ」
~~~真実のアルゼナル跡地~~~
刻晴「何度か来ているし、大分慣れてきたわね」
甘雨「そうですね」
鍾離「俺はこれで2回目だな……む?誰かいるぞ」
刻晴「彼は……法師セルリック!?」
セルリック「あなた達は……!!パラメイル第一中隊も来ているのですか!?」
刻晴「……来てないわ。ここに嫌な記憶しかない彼女達を、連れてくる必要がないもの。それより、あなたは何をしているのかしら?」
セルリック「……教主アマリが『ワタルくんが夏休みの間遊びに来るはずだったのに、宿題を片づけないといけないから来るの遅れるってことで、やる気出ません』と言ってまして。代わりに私が動くように命令されているんですよ」
甘雨「アマリさんが……その主張は有り得そうですけど、パラメイル第一中隊を薄汚い欲望で汚したあなたに動いてもらおうとしますでしょうか?」
セルリック「……スマホも魔従教団からの支給品、監視アプリつきに変えられた私に、これ以上何が出来ますかね。原初の光ならあなた達の邪魔はしませんから、どうぞお通りください」
鍾離「お前は何もやましいことはしていない。そう俺と『契約』出来るのだな?」
セルリック「岩神モラクス……!契約の神……!」
鍾離「『契約』を破る者に、俺がどういう手段に出るかは知っているようだな」
セルリック「……はぁ。そもそも契約しようと言うなら、あなたは私に何か提示できるものをお持ちなんですか?私にだけ不利な契約なんて、不平等契約ではないですか」
鍾離「確かにな。敢えて言うなら、お前が自分の潔白を契約して証明するなら、契約の神として俺から彼女達(パラメイル第一中隊)に対し、証明しよう」
セルリック「いえ、結構ですよ。そんなことなさらなくても。私が何を言ったところで彼女達からは信用されないでしょうし、私も信用してほしいとは思っていないので。お互いに邪魔はしない、それだけで十分じゃないですか」
刻晴「……そうね。ただし、少しでも変な動きをしたら容赦しないわよ」
セルリック「いえいえ、私の方はもう用事は住みましたから、これで失礼させていただきます」
~~~パラメイル第一中隊と合流~~~
刻晴「戻ったわ」
サリア「お帰りなさい」
鍾離「真実のアルゼナルに、法師セルリックがいた。何だか怪しい動きはしていたが、お互いに害するものではなかったので、ひとまず荒事は起きなかったが……君達に伝えた方が良いだろうと思ってな」
アンジュ「はぁ?あのド変態法師が?その場でぶっ潰せばいいのに。岩の神って言っても、大したこと無いのね」
甘雨「その言葉は聞き捨てなりません!帝君は、平等に、公正・公平に判断しているんです!」
アンジュ「甘雨にそこまで言わせるなら、これ以上鍾離を責めることはしないけど。私があいつを見つけたら、その場で叩き潰す。その邪魔はしないで」
刻晴「邪魔なんかしないわ。私も、サリアや皆を薄汚い欲望で汚した、あの変態法師の肩なんて絶対に持たない。
ただ、彼が絶対的に何かしていたという『物的証拠』が無い。
証拠なしに人を裁くことは神でさえも出来ない、と言うことよ。
璃月の法治国家として6000年の歴史は、そうやって刻まれてきたの。
帝君も、『自分の潔白を、俺と契約して証明するか?』と聞いたところ、セルリックはそれを蹴った。
今更信用されたいとは思ってない、と言ってたけど、まあ間違いなく嘘でしょうね。状況証拠しかないのよ、今はね。……アマリは居ないの?」
アマリ「呼びました?ワタルくんが来てくれるのが、来週に延びちゃって……刻晴さん達来るってことで、ちょうどいいから遊びに来ました。何か食べさせてください」
刻晴「お土産ならチ虎魚焼きと、鍾離先生が選んだお茶菓子があるから、それを食べて良いわ。ところで……セルリックに、あなた何か指示を出した?」
アマリ「いいえ、何も。ついでに言うと、前回のヴィヴィアンさんの暴露でセルリックのスマホは押収して、魔従教団の支給品にしましたから」
刻晴「そこまでは本当の事だったのね……でも指示は出してない、と。分かったわ、アマリ」
敵襲の警報が鳴り響く。
千織「パラメイル、ラグナメイルの仕様のチェック中だと言うのに……!」
サリア「今すぐ出れるパラメイル隊は何名いるの、千織!?」
千織「ちょっと待って……ヴィヴィアン、クリス、ロザリーの3名よ!」
サリア「私もアンジュもヒルダもダメなの?うちの指揮を取れる人は全員ダメってことじゃない!?くっ……」
刻晴「私が指揮を取るわ。ヴィヴィアン、クリス、ロザリーを出して、私の指揮下に入れて」
サリア「やむを得ないわね……頼むわよ、刻晴」
千織「私も出ましょう。鍾離先生、甘雨、行きましょうか」