原神×クロスアンジュ 第34話『ヴィヴィアン砲、テイワットの国防に使うことを検討される』

鍾離

鍾離「この『ヴィヴィアン砲』と言う口撃だが、実に興味深い。
この本気verと言う奴を俺達、七神に向けて放たれた場合、どうやって防ぐのか……知っておく必要があると思うが、どうか?」

魈

魈「……我は反対です。玉衡が受けた仮想データを見せていただきましたが、このヴィヴィアンと言う娘……極めて危険です。
迎仙儀式の折に、帝君が暗殺されたと騒動が起きた時、我々仙人がどれほど動揺したか、お忘れではありますまい」

閑雲

閑雲「ふむ……だが、国防と言う観点で言えば、我々が知り、そして対策を練ることはアビスの襲撃や、未来の脅威に向けて対策するという意味では有用だろう。そのエクスクロスと一番、我々の中で交流しているのは、甘雨だが……どう思う?」

甘雨

甘雨「私は途中までしか、本気verを受けていませんから。
刻晴さん、仮想データを見せてもらいましたよね。どうですか?」

刻晴

刻晴「あの時は……私が犯した過ちが原因で、取り返しのつかない結果を招き、私が信じて走ってきた人生が、全て足元から崩れ去り……
皆が私を糾弾し、帝君や仙人達が人に絶望し、人間を見限るという……悪夢を見せられました。
神々なら耐えられるかも、とは思いもしますが……
それでも、あの悪夢は誰にも見せたくありません。
例え、岩王帝君であっても、です」

鍾離

鍾離「ふむ……皆は、どう思う?」

ナヒーダ

ナヒーダ「私は、国防と言う観点で見れば、大いにアリだと思うわ。
ただ、そのデータは氷の女皇を除く七神と、その側近だけの絶対機密とするべきね。
私達、七神の弱点を曝け出すことになるわけだから」

鍾離

鍾離「俗世の七執政の中で、氷の女皇は我々とは500年交流が無く、ファデュイは各地で破壊・工作活動をしているため、除外は妥当だな」

雷電将軍

雷電将軍「一度だけ私が呼び出された、あの世界ですか。
あの時に居た、そのピンク髪の少女がそれほどの力を持っていたとは……良いでしょう。
私は賛成です。稲妻は八重神子と、九条裟羅の二人だけが知る機密情報になるでしょう」

フリーナ

フリーナ「まさか、神の座を降りた僕を呼び出して何かと思ったら……そんなことを考えていたのかい?
僕にフォンテーヌ全土を守る武力なんか無いのは、君達も知っているだろう?ヌヴィレットが狙われるなら、まだわかるけどね」

ウェンティ

ウェンティ「ん~、でも、あの龍王は君のことが、いたくお気に入りのようだからね。
フォカロルスが傷つけられたら、彼は動揺するのは間違いないよ。
それに僕は風のように自由なんだ。僕の意思を折るなんてことが出来るなら、見てみたいね!」

鍾離

鍾離「……バルバトス、その言葉、ヴィヴィアンの前では絶対に言うなよ。どうなっても、俺は知らんぞ。
七神の皆は、賛成と言うことで良いか?」

フリーナ

フリーナ「ヌヴィレットには報告しておくよ。『君がそんな思いをする必要はない』とか言いそうだけど、バルバトスの言ってたことを流用すれば説得できるだろ」

マーヴィカ

マーヴィカ「そうだな。アビスにはそんなに知恵が回る者は居なかったから武力だけで跳ね返すことが出来たが、敵にそう言う奴がいたら、と仮定するのは大事なことだ」

魈

魈「帝君……考え直すおつもりは無いのですか?」

鍾離

鍾離「俺は、もし璃月を襲う惨禍が起きたら、その時は立ち上がるつもりだ。防衛を考えるなら、己の弱点を知り、克服するのは大切なことだ」

魈

魈「……分かりました」

鍾離

鍾離「契約の内容はしっかり考えておかないとな。魈なんかは怒り狂ってヴィヴィアンを強襲しそうだからな?」

魈

魈「帝君!お戯れが過ぎます!」

鍾離

鍾離「ハハッ、すまんすまん」

甘雨

甘雨「それで帝君……情報の保有範囲はどうするのです?」

鍾離

鍾離「情報の保有の範囲は、これで行こうと思うが、どうか?」

鍾離が出した『情報の保有』の範囲は、以下の通りだった。

モンド:ジン・グンヒルド、ディルック・ラグウィンド
璃月:仙人各位(魈、甘雨、閑雲など)、璃月七星(刻晴、凝光)
稲妻:九条裟羅、八重神子
スメール:放浪者、セノ、ティナリ、アルハイゼン
フォンテーヌ:ヌヴィレット、クロリンデ、シュヴルーズ
ナタ:ムアラニ、カチーナ、キィニチ
アル・ワース:パラメイル第一中隊長サリア、アンジュ、ヒルダ、ヴィヴィアン、ロザリー、クリス、エルシャ、タスク、アウラの民サラマンディーネ、ジル前司令、魔従教団の教主アマリ・アクアマリン

魈

魈「……何故、アル・ワースの一兵士に過ぎないものにまで、帝君の弱みを握らせるのですか?
データを作るヴィヴィアンと、司令官のサリア、教主アマリの3名で十分では?保有範囲が広すぎます」

鍾離

鍾離「彼女等の力は感情と直結している。
故に、精神的な弱点を把握し、対策することは、彼ら自身と彼女等の機体の戦闘能力を最大限に引き出すために不可不可欠である。
彼女等は、他者から見れば常識外れな言動や感情を抱くかもしれない。
しかし、その歪みこそが、人間の極限の真理を体現している。
彼女等であれば、神々の弱点という『真実』を、曲げることなく受け止められるだろう」

魈

魈「……仰せのままに」

鍾離

鍾離「それに何より、彼女等は、最も危険な状況下で共に戦い抜いてきた。その信頼は、最高機密を共有するに足る」

~~~アル・ワース~~~

ヴィヴィアン

ヴィヴィアン「……まさか、あたしの『ヴィヴィアン砲』が、前回の刻晴に撃った時のように仮想データの中で、テイワットの神々に向けて撃ってくれ、って依頼が来るなんて」

サリア

サリア「私も頭が痛いわ……」

刻晴

刻晴「私もよ、サリア……帝君ファーストな仙人の降魔大聖……魈とか、最後まで反対してたんだから。最後に帝君から『これは防衛のために必要なことなんだ、分かってくれ』と言われて渋々了承してたし」

サリア

サリア「それでヴィヴィアン砲なんか撃って、大丈夫なんでしょうね!?本当に戦争になるんじゃないの?ヴィヴィアンに手加減しろなんて言って聞くわけ無いのは周知の通りだし」

鍾離

鍾離「玉衡が作った前回の契約内容を改良して、使おうと思っている。七神全員が来るのは現実的には困難なので、ヴィヴィアンにはデータを作って貰って俺が受け取ろう。契約の内容は以下の通りだ」

1条:本契約は、契約の神である岩神モラクスを代表とする、氷神除くテイワットの七神(以下、七神)とアル・ワースの新生エクスクロスのヴィヴィアンとの契約である。

2条:ヴィヴィアンの攻撃手段である精神攻撃『ヴィヴィアン砲・本気モード』を、七神に向かって放つ仮想データを作る契約である。

3条:本データは、テイワット防衛のために使われる戦闘データであり、新生エクスクロスでこの仮想データを共有して良いのは、製作者であるヴィヴィアン、新生エクスクロスの中核をなすアンジュ、サリア、ヒルダ、クリス、ロザリー、エルシャ、サラマンディーネ、タスク、アレクトラ、そして魔従教団の教主アマリ・アクアマリンまでとする。テイワット側で共有するのは、各々の神々の側近のみとする。

4条:本データは、テイワット防衛を最終目標とするため、ヴィヴィアンはこの内容を現実に行うことは固くこれを禁ずる。また、これを作った事を以てヴィヴィアンや新生エクスクロスの責任を追及する事を禁ずる。報復行為は、固くこれを禁ずる。もしこの契約を破ることがあった場合、新生エクスクロス、並びにテイワットの七神全てを敵に回すことと心せよ。
(ヴィヴィアンだけでなく、魈の岩王帝君ファーストっぷりや九条裟羅の忠誠心っぷりを同時に警戒したため)

5条:テイワットの存亡に関わる、真なる脅威にのみ、最終兵器としてそのデータを用いる。

6条:データの使用は七神全員の合意、またはそれに準ずる厳格な手続きを経るものとし、その結果に対する責任は神々が負う。

7条:ヴィヴィアンへの報酬として、定期的にテイワットの美食を提供し、ヴィヴィアンが知りたがるであろうデータ(教令院のデータやテイワット各国の情報など)へのアクセス権限を付与する。

以下、8条、9条、10条……と小難しい文章が、1000条くらい続いていた。

ヴィヴィアン

ヴィヴィアン「長いよ!しかもわかりにくい!民法並の条文の数じゃん!」

鍾離

鍾離「そうか?これでも必要なことだけに絞ったのだが。大まかな総則が30条まで続き、実際に使う場合とその手続きが50条から、間違っていた場合のペナルティ、例外規定、情報漏洩に対する対処規定が……」

刻晴

刻晴「帝君、ヴィヴィアンが思考フリーズしてますから」

鍾離

鍾離「む……そうか。すまん。しかし、そうなると、もっと省略できるところを検討せねば……」

サリア

サリア「私が読んで理解しておくわ。ヴィヴィアン、ちょっと待ってなさい」

ヴィヴィアン

ヴィヴィアン「サリア、ありがと!」

鍾離

鍾離「助かる」

刻晴

刻晴「私達は普段から書類を見慣れてるから良いけど、ヴィヴィアンには長すぎたわよね……」

読み終えたサリアが戻ってくる。

サリア

サリア「……読み終えたわ、ヴィヴィアン。
簡単に言うと、『内容を私達以外にバラすな』
『まかり間違っても実際に使うな』
……そして、一番大事なのは、『ふざけ半分でこの契約を破ったら、テイワットとアル・ワースで戦争になり、泥沼の殲滅戦になることも覚悟しなさい。テイワットは勿論、私達新生エクスクロスもすべて敵に回すことになる』ってことね」

ヴィヴィアン

ヴィヴィアン「おおう……刻晴のを作った時と、重さが違う!」

刻晴

刻晴「まあ、あの時は、最悪でも犠牲者は私一人で済んだからね……甘雨のは途中で止めたから。
でも、今回は話の規模が違う。私は個人的には反対したんだけど、神々が意思統一してる以上、私が反対してもどうにもならない。
かといって、やるならヴィヴィアンに手加減しろとも言えない。
七神は、本気のヴィヴィアン砲を想定しているのだから」

鍾離

鍾離「ちょっと待ちたまえ、サリア。何も破ったからと言って、直ちにテイワットとアル・ワースで戦争をするとは言ってないが……」

甘雨

甘雨「帝君、ちょっと黙っててください。ヴィヴィアンさんには、そのくらい含めた方が良いんです」

サリア

サリア「流石に、私達も即答できることじゃないから……魔従教団の教主であるアマリや、意見役としても前司令のアレクトラにも意見を頂戴するわ。すぐにと言うわけにはいかないけど、刻晴を通して必ずお答えする」